みやうちふみこのブログ

日々の思い こぼれないように 

ははのにおい

夕べの風と雨に ベランダから見える桜もほとんど散って 一夜ですくすく伸びた若芽の小枝でのこり花の蜜をすうヒヨドリのもまた幼げ。春の嵐のあとのような今日のぬくもりはははのしたいと過ごした一週間 あのころの日を思い出させる。北枕に横たわるははのし顔を自慢げに訪れてくるだれかれとなく皆に見せびらかすようにしていたわたし。「ね、きれいでしょう。」そう言いながら。そのことはハッキリ覚えているのに 出棺の時も あの扉の閉まった瞬間も 手を合わせた記憶も 拾った筈のははの骨を骨壺に入れた記憶も 全く抜け落ちている。あれから13年。まだ母はしたいを装いどこかにいきているのかも知れない。

介護メモを読み終えてそんなことを思った。

窓辺に今年も咲いたローズゼラニュウム 右に左に風に揺れ 香るかおりは母の臭いに似ている。