煮浸しにしようと手にしたナスは
少し太っちょで真ん中あたりから
少し湾曲がかっていた
表面の皮に包丁入れ
そのまま湾曲に添って
先っちょまで皮むいていったら
川模様になった
周囲は闇にそまり シンと静かだ
川面だけが 月明かりに染まり
流れが水音を誘う 気配
家族ががでかけると あなたはすぐに
時計の針を 各々の帰る時間にセットする。
敬遠されても無意識の習慣は今もまだ続く。
チャイムが鳴った。 出ると宅急便のお兄さんの
「荷物を届けにきました」という声。
ここ数年,年々太り気味の身体に、もうまとうもの
がなくなって ネットのバーゲンで買ったワイドプ
ルｰオーバーなど。帰り際・・いつもと違う笑顔を
置いて階段を下りていった。どうして？の「？」
その「？」がずっと頭の中にあったらしい。しばらく
して 洗面台の鏡をみてそのわけは、多分解けた。
後期高齢者の三つ編みスタイルは ちょっと笑える
かもしれない・・と。
あとは、用意しておいたギョウザの具を包んで
焼くだけだ。
＊タイトル「今日の散歩道」は、おこがましくも
「岡崎弘子詩集・洋裁師の恋」に出てくる
「夜の野川の遊歩道」にちなんだ私の一遍・・。
