みやうちふみこのブログ

日々の思い こぼれないように 

左手の小指

      台所用品として 竹細工の品々が手に入れ
  やすい頃だからもう大分前のことになる。
  神戸から神奈川県内に転勤、某社宅に移り

  住んで間もなく、長女次女が幼稚園に通う

  頃だった。それまでとはまるで違うその台

  所が、わたしのお城と思えるようになるに

  は 時を要した。
 
  外食したり、銭湯に通ったり。子供の小さい

  頃は何でも親の思いのまま、と思いきや、ある

  日子供達に「お肉を買ってきて・お野菜買って

  きて・ お母さんの作ったご飯が良い」と「外

  食拒否」された記憶が赤々と蘇る。

  仕方無くする家事は義務、義務でする家事は
  楽しくない。楽しくない家事は必死。必死に
  亀の子たわしで竹カゴを洗っていて左手の小
  指のツメの間に竹カゴの棘が刺さったらしい。

  日に日に痛さが増して某大学病院の外科で受
  診。「ひょうそう」と診断されて直ぐ切開。
  多分、その日は金曜日だった。痛み止めと化
  膿止めの薬をいただいて帰宅。以後は良い方
  向へ向かうはずが、痛み止めを服用しても左
  手の小指の先から発するズッキン・ズッキン
  と言う正確なリズムは体内から脳へと鳴り止
  まない。

  「ヒョウソウって、痛いんだって。」その言
  葉を信じて子供用2段ベッドの柵に左手をつ
  り、眠れない夜3晩。月曜日に受診すると「
  これはひどい、本物のひょうそうです、もう
  少しで第一関節で切除することになるところ
  でしたよ。」痛さで気を失いかけているわた
  しを、正気にさせてくれたその一言・・。飛
  び出しそうになった怒りの言葉は飲み込んだ。

  長女のエレクトーンレッスンのおさらいに便
  乗、一緒にグレードアップしてきたはずなの
  に、その日からエレクトーン奏者になる夢に
  さよならした。(?)

  今もなお残るしびれは

  あのころの教訓なのだろうか!?