今日は、お昼近くになって、突然眩い光がさしはじめた。
わたしは、晴れた空に白い雲がモクモクとあらわれ、形
を変えながら流れていっては また 別のところで生ま
れた雲が流れてきたりするのを、カーテンを開け放した
窓からぼんやり眺めていた。そのとき「三角みづ紀・
とりとめなく庭が」のあとがきで読んだ言葉がふっと
浮かんだ。
「いまのわたしにとって詩は写真でエッセイは映像に近い」
と。ならば、わたしが無意識に撮ったあのハルジオンの写
真も詩。いや、わたしの撮ってきた写真すべても詩なのだと
そのことに今頃になって気がついた。というより「詩人・三
角みづ紀」に教えられたといった方が正しのかも知れない。
だとすると、わたしが、あまり写真に文章を添えたり、詩に
写真をそえたりすることを好まない理由がなんとなくではな
くはっきり見えてきた。