佐々木貴子・ 1970年生れ。元気はつらつ美貌の持ち主。そんな著者が
第26回詩と思想新人賞受賞作品「雨の多い人生だった。・・」ではじ
まる”姥捨 ”を読んだとき、「なんて生意気な」が 正直わたしの感想
だった。しかし、審査委員の顔ぶれを拝見する限り、わたしよりずっと
人生経験豊かなお顔ぶれ。そうなんだ、と思いつつ、その時は、「どうで
も良いわ」が本音だった。だが、今回、土曜美術社出版販売より「思想新
人賞叢書」として出版された詩集のタイトル「嘘の天ぷら」に、食いしん
坊のわたしはついつい、手にしてしまったのだ。それは、なにかわくわく
ドキドキする期待感があったからなのだけれど、ふたを開けたその段階で
、、お腹はほぼ一杯になった。ひと皿につい最近べたばかりの天ぷらが
多々盛られていたのだ。そのことが、なぜかわたしをとても寂しい思いに
させている。普通のことなのかも知れないけれど、もっと真摯にとは、
部外者のわたしの勝手な期待。
そう思いながら、またどこかで「詩と思想新人賞・叢書」として、なんか
とても軽々しく扱われたような気持ちがもやもや消えない。と言うのはうそ。
どう思い、感じようが、それはわたし自身のこと。
わたしにはなんら無関係なのだから。
もしかして、版元を間違えたのでは?なって冗談は余りに
も冗談過ぎ。いやいあや、もしそうだったら、ステキな
ごちそうになったかも。