みやうちふみこのブログ

日々の思い こぼれないように 

「 えみしのくにがたり」

   今朝は家事のあと なんとなく ぼんやりと 詩集を読みた

 い心境にかられていた。そこに まるで思いが通じたよな
 タイミングで及川俊哉さんの第25回詩と思想新人賞受賞詩集

 「えみしのくにがたり」が届いた。ネコポスなのだけれど、、
 ポストに入らないからと宅急便の配達荷物と一緒に玄関
 先まで届けてくださったのだ。その新雪に・・感激感激。

 トトトトト、トート。
 トトトトト、トート。ではじまる
 最初の詩「波の神、うみのきらめきの神が語った歌」を
 読み始めてすぐ、これはあの日のことだとすぐ分かった。
 そして、その中に出てきた言葉をどこかで聞いたことが
 あると思った。
 「ナンジョニガシテヤリタクテモ、ナンタニスレバインダガ」
 「ナンジョニガシテヤリタクテモ、ナンタニスレバインダガ」
 
 何度か反復していて思い出したのが祖母のことだ。 
 微妙に違うけれど
 「ナジョニカシテヤリタクテモ ナジョシタライイダガ」
 祖母がこんな言葉を使っていた確かな・・かすかな記憶。
 祖母は、わたしの小学校1年生か2年生の時に亡くなっているので
 ほんの少しの記憶なのだけれど、機嫌の悪いときでも
 「ね、お話聞かせて」とそばに行くと、すぐにご機嫌回避。幼い
 ながらその術を身につけたのは多分、祖母から母を守るわたしに
 出来る唯一の手段だったからと思う。
 十八番のお話はいくつかあったような気がするのだけれど、
 思い出すのはいづれも笑い話でもあるけれど笑えない真実の物語だ
 ったようにも思う。我が家の太古までは戻れないけれど、記憶から
 薄れていた祖母のこと祖母のふるさとが福島の二本松とか聞いた記
 憶がよみがえった。

 3.11から、同じぐらいの規模の震災が起こったらしい千年前に
 飛んだ、及川さんの発想スケールの大きさに出会って、、いままで
 無縁の地と思っていた福島が祖母のふるさとだと思い出させてくれた
 のはいたずらなのか。ふっと同じ年、わたしも詩と思想新人賞に作品
 を応募したことを思い出した。その祖母の眼に入れても痛くないはず
 の孫の自死を見逃してしまったあなたの苦悩の詩。
 とても不思議な気がする。

 あと読み終えて気になって仕方が無いのは、及川さんの奥様のお名前・・。
 偶然にしては偶然過ぎるのだけれど、気になって仕方が無いお名前。
 彼女もまた猫好きだったことも含めて、あり得ないとも
 あり得るともなんだじゃかにゃ~よくわかんないけど、、。
 まるごと分かったよな分からないような、、それでも、、出合えて
 良かったと思う詩集だった。