強い風の吹いた日、家を出てすぐに
足下にこぼれていた小さな赤い実
「これは、なんの実?」
見上げると わずかの葉陰に
小さな赤い実をつけた街路樹
「はなみずきよ」
kayoそんな会話をした日
「詩人・三角みづ紀」の名前の
「みづ紀」は生まれた時に咲いていた
お母様の大好きな花のなまえから
いただいたのだと、知った。
彼女のエッセイや詩を読んでいて
「発病をきっかけにほとんどのものを手放して
もう一度生まれたような心境だったあの頃・・」とか
「失ってしまったものはたくさんあって、記憶の回路や、
一人の感覚や、大切な事柄の定義やそれらをわたしは探しに行く・・」
と言うようなくだりにであうと、そのたびに、わたしは、うなずき、
胸がいっぱいになるのだ・・。