みやうちふみこのブログ

日々の思い こぼれないように 

秋亜綺羅さんの新書「言葉で世界を裏返せ!」

年に何回か届く「季刊誌詩・ココア共和国」の筆者秋亜綺羅さんから”季候も世情も
不気味な昨今です。雨が降ろうがミサイルが降ろうがいいのだけれど。もはやスマ
ホに握られてしまった位置情報から、逃げられない自分がいます。突然ですが、少
しずつ綴ってきたものを綴っちゃいました。気が向いた時に開いていただけました
ら、幸いです。(2017・01)” こんなご丁寧なあいさつ文と一緒に刷り立ての
新書・秋亜綺羅「言葉で世界を裏返せ!」(土曜美術出版販売)が送られてきて・・
一週間は過ぎただろうか。昨日、やっと気が向いたのでその本を開いてびっくり驚い
た。そこには、、詩人・秋亜綺羅から隠れようとしても一生隠れられない、かつての
写真家としてのわたしの存在までも綴じられてしまっている。
一生どころではない、わたしが死んでもその存在は綴じられたまま、この世が継続す
るまで失せることはないのだと、書物とはそんなものなのだという真実を実感してい
る。この本の名付けの親は詩人の一色真理さんとも記されている。
「50年も前から尊敬し続けていた詩人です」とも。もうこの時点で世界を裏返して
いる感じの一冊。扉を開けると「・・言葉は生きているための毒である」で始まって
いる。そんな暴言を諭すようにいつもそばにいるのが、表紙と同じ柏木美奈子さんのイラストだ。(秋亜綺羅さんの出版物はどれも6分ぐらいはは彼女の挿絵に支えられてこの世界で息をしているのではと思うぐらい・・これはナイショ。)
「・・少しずつ綴ってきたものを綴っちゃいました」その言葉どおり、わたしに初めて
の文章と言えば「あとがき」の文章ぐらいなのだけれど、いろいろジンとさせられる文
章や言葉は数々ある。中で、なんど読んでも大好きな文章が一つある。それは秋亜綺羅
の幼少期の祖父との思い出が記されているエッセイ「かわいいものほど おいしぞ」だ。多分、彼は祖父の生まれ変わりかも知れないなどと思いを馳せ愉快がって・・ひとりこっそ・・りほくそ笑んでいる。毒にはなりませんよ!