岡島弘子詩集「洋裁師の恋」”まとう”にうたわれている
幼かった頃の著者とお母様の日常を垣間見ながら わたし
も同じように あの時代に思いを馳せ あの頃のことを思
い出し今 やっと母の気持ちをかみしめている。
七五三のお参りの時
母はわたしに 襟元に大きな
ボタンのついた赤とグレーだったかの
コートを着せてくれた
その日から お出かけにはいつも
そのコートを着て出かけられるんだと
大事にしまってあるのだと
ずっと思っていた。 思っていても、、
「どこにあるの?」とどうしてか
母に聞くことは出来なかった
それから数年してだった
コートのことを母に聞いたのは
「あの日1日だけ、方波見さんにお借りしたの」
あの時 母はそう言ってわたしを見て微笑んだ。
夢を食べ夢をまとって暮らせる時代を生きる
娘たちに、あのころの体験をどう語ろうか・・。