みやうちふみこのブログ

日々の思い こぼれないように 

ぶうちゃん

  元気な頃の母の夢を見た。
 私の斜め前から背後に回ろうとしたそのつかの間の
 ことなのだけれど あの息の音からは確かに母の匂
 いがした。忘れないでと言いに来たのだろうか。

 母の日が近いからだろうか。わたしは母を見ていて

 苦労して育ててくれていると思った事があるだろうか。

 特に春の新学期が来ると決まって思い出すことがあるの

 だけれど、そのことすら、その頃の私には楽しく思えた

 らしい。そんな気がする。それは高校に通うバスの定期

 代のこと。高校所在地までバスで30分。半年の定期代が

 4600円ぐらいだ思う。
 そのころ二番目の姉は東京にいて、上の姉は一緒に暮し
 ていたころかもしれないけれど・・あまりいろんな記憶
 が無い。兄は進学をあきらめ、いろいろもさしながらい
 て結局その頃の村役場に勤めはじめた頃だったと思う。
 姉達と兄は高校まで1時間ぐらかけて自転車通学だった。
 なのに、母は何も言わずに私をバスで通わせてくれたの

 だけれど、その定期代になってくれたのが豚(ぶう)ち

 ゃん。半年育てて売ると私の半年分の定期代・・・・。
 庭から畑におりる坂道の土手を利用して、小さな豚小屋
 を兄が作って子豚を買い そこで半年育てて手放すのだ。
 卒業までに6匹のブゥちゃんを育て、6回の出会いと別れ。

 別れて行くときの 寂しさ・・。たいがい学校から帰る

 と代りの子豚ちゃんがそこにいたのだけれど、、そろそろ

 別れが近いくなると 夕方 ブゥちゃんの小屋のまえで

 3人でブちゃんのピンクの肌に生えるしぱしぱする毛をいつ
 までもいつまでもなでていたのを思い出してしまう。
 なつかしい思い出なのに思い出すと何故か泣けてくる。