朝、大空を悠々と舞う白鳥が
水面に映っているような空を
見上げながら
出てしまったバスの後部を
見送った日のことを思う
「止っていても乗れないのよね。赤信号だから」
白鳥は ゆっくりゆっくり羽ばたいてる
駅前のバス停には 椅子が10脚位並んでいる
つぎのバスを待って 一番目の椅子には
目のくるっとした人なっこそうなご婦人が
私はそこから7つぐらい離れた椅子にかけた
つぎにいらした 元 か 現 か
学校の先生風の女性がが
4番目の椅子に掛けながら
「わたしは3番目に乗れば良いのね」と
わたしたち二人を見ながら、でも
ひとりごとのように言った。
「いいえ、どうぞ、私はその辺、陽が当たって暑いので、
ずるしてここに座ったの・・だからお先にどうぞ」と そ
の方のを見て言った。私の隣りの椅子に掛けた方は、市の後
期高齢者用のバス乗車券を手にしながら「直ぐ出せるように
しておかないと運転手さんが「早く」と言う様な顔するのよ。」
と 誰にともなく話している。「そんなこともあるのかなぁ」と
思いながらいると、「運転手さんにもよるけどね」と言い添えた。
いつの間にか、椅子は全部埋まって、あとは行列。
バスが来ると、3番目のご婦人が、
「はい、あなたは2番目でしょう。何事も公平厳正に」と 容赦は
無い。ずるしておきながら、「天晴れ」と笑みがこぼれた。午後2
時台のバスを待つ人達って いつもこんな雰囲気なのだろうかと
なぜか ほっとしている。
遠くに雷の響く音して
つくつくぼうしが遠く近くに鳴いている
*岡崎弘子さんの詩集「洋裁師の恋」のタイトルを拝借または
ちなんだタイトルでわたしの詩を書くことを自身に課せ、、
苦しくとも、なんとか最後のタイトルまでこぎつけました。
31からなる一冊の詩集・・果たしてどんな詩が紡がれている
のか、作品としは、自信はないのですが、この1ヶ月余り、言
葉をつぐむことを意識しながら、無意識の世界に思いを馳せ
過ごせたことは、無駄ではなかったと思いたい・・。
何よりも、その気にさせてくださった、岡崎弘子さんの詩集
洋裁師の恋」との出会いに感謝。
(無断タイトル拝借のこと、勝手ながらどうか容赦下さい)